2012年02月29日

2月11日、流山市の除染計画案に関するタウンミーティングに参加しました。

(タウンミーティングでの市長や市の関係者からの説明や、参加された市民からの意見や質問については、下記のブログに詳細が掲載されていますので、そちらをご参照いただければと思います。)
http://togetter.com/li/256058
http://daizo3.tumblr.com/post/17419469953
http://blog.livedoor.jp/icdt/archives/5864591.html

最も気になっていた、子ども達が多く利用する施設については、市長から次の話がありました。

①5センチの高さで毎時0.23マイクロシーベルトが観測された全ての施設で、重機による表土除去を行うこと

②除去した土壌は50センチ以上の覆土をして現場保管を行うこと

③公園の空間線量の測定値や除染の実施の有無を、看板などを立てて掲示すること

今後のスケジュールとしては、除染実施計画を早急に策定し、国との調整に入るとのこと。
(そのためにパブリックコメントの募集期間を短くしたとの市長の説明。)

2012年度の予算案が策定されましたが、除染に関わる予算については(大きな方針変更がないことを前提に)議会をすんなり通過していただき、迅速に除染対策が実行されることが肝要です。

・平成24年流山市議会第1回定例会 所信(施政方針)
http://www.city.nagareyama.chiba.jp/mayor/siseihousin/shiseihousinn2401teireikai.htm
・流山市:12年度一般会計当初予算案 放射線対策計上、過去最大442億円(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20120216ddlk12010203000c.html

全ての小中学校で重機による表土除去を行うことを要望してきましたので、とりあえずはホッとしています。
ただし、安心するのはまだ早いと考えています。

(1)除染実施計画の中身
言うまでもありませんが、パブリックコメントの内容をどれだけ反映しているかが気になるところです。

『流山・東深井地区の子供達を放射線から守る会』からのパブリックコメントhttp://blog.goo.ne.jp/nagareyama_higashifukaikodomo/e/5c5dd68ce729e4cef817800ccae52db5

注目すべき点として、下記が挙げられます。

a. 除染目標値を、子どもが多く利用する施設は5センチ0.23未満とする方針に変更はないか
(子どもが多く利用する施設では、できる限り汚染前の状況に近づけるべきであり、0.1μSv/h未満があるべき姿。0.23未満は最低ライン)

b. 全ての小中学校の校庭等の重機による全面的な表土除去を行うことを明記してもらえるか
(市で計測している5ヵ所の数値だけで判断しないこと。不公平にならないように全学校の表土除去が必要。)

c. 除去された表土の保管方法を明記してもらえるのか
(例えば、学校の場合は、表土を10センチ鋤き取り、校庭の一カ所に穴を掘って3メートル以上の深さに保管、のように)

d. 小中学校の除染スケジュールを第一四半期中というように早めてもらえるのか

e. 数多くある公園については、どのように除染を進めていくのか
(遊具や砂場のある公園や、森林のような公園では地面が土や芝生のエリアを優先して除染してもらえるか。優先的に小さな子供達を安心して遊ばせられる公園として、クールスポットを自治会くらいの単位で1つ、あるいは流山市を幾つかの地域に分けて2つ、3つずつ作ってもらうのが理想。もちろんクールスポットは0.1μSv/h未満で。子育て中のママさんどうしのコミュニティーには重要)

f. 公園や通学路等で市民が空間線量を計測してマイクロスポットを見つけた場合に、市が注意喚起の看板設置、立ち入り禁止、除染等を行い、処置内容を掲示する『市民通報→処置→掲示』の仕組み作りをしてもらえるか

g. 民有地(特に、戸建ての住宅)や通学路の除染に関して、除去した土壌等の保管場所を、流山市として提供してもらえるか
(現状の除染実施計画案では現場保管が原則となっていますが、自宅の庭に穴を掘って表土を埋めるのは、庭が広ければ別ですが、実際は隣家との関係で容易ではないと思われます。不法投棄を防止するためにも、市として保管場所を設置することは民有地の除染を進めるためには重要と考えます)

h. 民有地や通学路の除染を推進するには、自治会が実施の単位団体になるのが一案と思われるが、熱心な自治会とそうでない自治会とで差が出たり不公平にならないよう、流山市が各自治会に強く働きかけたり、機材を貸し出したり等の対応をしてもらえるか
(自治会長の意識一つで変わってしまうのが現実なため)

i. 広報誌等を用いて市民に対し、流山市の汚染状況や除染実施計画の詳細、除染対策の進捗状況等の周知、市民への協力依頼の呼びかけが定期的に行われるか

j. 健康への影響や危険性がまだ解明されていない内部被曝の問題を踏まえて、小中学校等で手洗い・うがいの励行、風の強い日のマスク着用を徹底してもらえるか
akatsubu-masuku-2

あかつぶ
http://www.mikanblog.com/?p=2623


(2)小中学校の除染対策の実施スケジュール
除染対策は、子ども達の健康を考えると、できるだけ早期に実施されるべきです。
運動会シーズンの始まる前、つまりは第一四半期中の除染対策の実施が望ましいと考えます。

すでに、野田市では概ね学校の除染は完了。公園もかなりの箇所で完了しています。柏市や我孫子市でも、学校の校庭の表土除去を含む本格的な除染が始まりました。

特に4、5月は風が強く吹くため、放射性セシウムが付着した土壌や砂塵が舞い上がります。
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-459.html
風塵が舞う中での運動会はやはり避けるべきです。
当日に向けて毎日のように校庭で練習を繰り返すことにも問題があります。

ちなみに、流山市東深井小学校は、校舎の増築工事が入るため、5月に運動会を行う予定になっていました。
当ブログでは、東深井小学校の除染対策は運動会の前、つまり4月中に完了すべきである。
また、除染の実施を早めるのが難しいのであれば、時期をずらして秋に別の場所を借りて運動会を実施するか、最低でも練習だけは体育館で行う、といった対策を検討していただきたいとコメントしてました。

結果として、東深井小学校の運動会は、秋に開催する、という校長名の通知をいただきました。
関係者の皆様、ご配慮いただき、誠にありがとうございました。

いずれにしましても、除染対策の早期実施がのぞまれます。
また、風の強い人気や除染工事中の児童・生徒のマスク着用の周知をお願いしたいと考えています。


(3)除染の効果と空間線量のモニタリング
除染によって毎時0.23マイクロシーベルトになれば”安全”というわけではありません。
http://toukatsuno-hiro.doorblog.jp/archives/2863715.html
できるだけ空間線量は下げることが望ましく、また表土に付着している放射性セシウムの総量を減らさなければ、風によって舞い上げられて土ホコリを吸い込むことによる内部被曝の問題は解消できません。

柏市の実験などにより、表土を10センチ程度除去することによって、毎時0.1マイクロシーベルト程度に低減することができることが実証されています。
また、野田市で既に実施された学校や公園での除染後の測定でも、同様に毎時0.1マイクロシーベルト程度に低減しています。
http://www.city.noda.chiba.jp/osirase/20110311jisin-628.html
http://www.city.noda.chiba.jp/shihou/shihou/pdf/120201-3.pdf
http://2ch-news.doorblog.jp/archives/53215830.html

同等の費用をかけて除染を行うのであれば、最大限の効果を得るようにすべきだと思います。
従って、本来であれば柏市のように除染のモデル実験を行って、表土に付着した放射性セシウムを除去できる深さや、現場保管をする場合に空間線量を十分に低く保てるように除去した土壌を埋める深さといった、汚染前の状況に確実に近づける方法を把握した上で対策を実施すべきです。
また、その方法を守って施工してくれる信頼できる業者を選定し、市役所の職員の監督の下で除染を実施すべきです。
しかし、時間も限られてるので、柏市や野田市からノウハウを教えてもらい、業者を慎重に選定して指示するしかないかもしれません。

であれば、除染対策の実施後には、空間線量の計測を行い、十分な低減が図られて除染の効果が得られているかをチェックすることが重要です。

除染実施後の定期的な空間線量のモニタリングについては、流山市や業者にも実施していただくのは当然なのですが、私たち市民が自ら測定を行うことで、除染作業後にどうしても残る可能性があるマイクロスポットの発見と除染につながると思います。



<参考>
最後に、タウンミーティングで「まだそんなこと言ってる人がいるんだ!」と驚く発言が市民からありました。
それは、「もともと、東葛地域は自然放射線による空間線量が高かった」という勘違いをしていたのです。
まあ、某大学の先生がそのような発言をしてミスリードをしてしまったことが原因なのですが。

この点については、以下の資料等を見ていただければ一目瞭然。
花崗岩が多い地域は線量が高いことが知られていますが、東葛地域は違います。

・東葛地域は、もともと空間放射線量が高いという噂が流れたが・・・
http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html

東大物性研 押川先生の資料(16ページ前後を参照)
http://www.slideshare.net/MasakiOshikawa/20120114

・20年前に測定された、柏・我孫子・中央線のバックグラウンド放射線
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/38781/39126/68368194

・その他の自然放射線に関する資料
http://www1.s3.starcat.ne.jp/reslnote/A8_8.htm

http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/radiation/index_04.html#7

http://rika.s58.xrea.com/wiki.xcg?page=%B4%C4%B6%AD%C4%B4%BA%BA%A5%DE%A5%CB%A5%E5%A5%A2%A5%EB%A1%A1%A1%C1%A1%A1%BC%AB%C1%B3%CA%FC%BC%CD%C0%FE%CE%CC%A4%CE%C2%AC%C4%EA


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